前回紹介したフォントの特徴と主な用途を書きます。
横にカタカナを併記しましたが、フォントの読み方はデザイナーによってマチマチです。
・Helvetica(ヘルベチカ/ヘルベティカ)
サンセリフ系(ゴシック系)の代表フォントです。
もっとも有名かつポピュラーなフォントです。企業のロゴでも多く使用され、雑誌などでも頻繁に見かけます。どこででも目にすることができる代表的なフォントです。

・Futura(フーツラ/フツーラ)
こちらも好んで使うデザイナーが多い書体です。
直線曲線が整理されており、アルファベットのAは三角形、Oは丸と図形化されていますので、デザイン的なオブジェクトとしても使いやすいフォントです。タイポグラフィデザインとしても、幾何模様と相性が良い代表フォントです。化粧品のパッケージや、アパレル系の広告で目にすることができます。
同じ幾何学的なフォントではAvant Garde Gothic(アバンギャルド ゴシック)も有名です。

・Optima(オプティマ/オプチマ)
このフォントを入れるかどうか迷ったのですが、基本フォントにいれました。
サンセリフ系ながら、セリフの要素を持っています。
街の看板や、電車の中吊り広告等でも頻繁に見かけます。というか、ちょっと使われすぎでしょう。
ここ最近で少し落ち着いた感がありますが、ほんと一時はアレもコレもOptimaでした。
女性誌でも見かけますし、ウェディング系の広告では多用されています。
大文字だけの場合は、Peignot(ペイグノット)で組むデザイナーもいます。

・Garamond(ギャラモンド/ガラモンド/ギャラモン/ガラモン)
こちらも化粧品やアパレル系でよく使われています。
アルファベットより数字を使うことが多く、値段表記の部分にのみGaramondを使用することもあります。数字を並べた時、上下方向へ独特のリズムがあります。
特に、369が大きく上下しているように見えるため、組んだ時にGaramond特有の雰囲気が出ます。

・Times(タイムズ/タイムス)
セリフ系(明朝系)の定番フォントです。特に説明は必要ないでしょう。

・Frutiger(フルティガー)
ヨーロッパではとてもメジャーなフォントです。いつだったかのオリンピックでも使用されていました。
ヨーロッパの交通機関のサインで使用されているフォントで、フルティガー博士の名前がそのまま付いていることからも解るように、博士の代表フォントです。
関西の京阪電車では、このフォントをオフィシャルフォントとして採用していますね。

以上がとりあえずデザインの勉強するために最低限必要となるフォントです。
まぁ、Frutigerは無くても大丈夫です。もちろん他にもBodoni(ボドニー)など、よく使うフォントはありますが、デザイナーの好みや流行もあります。
例えばEurostileなどは過去一世を風靡したフォントですが、しばらく見かけませんでした。ここ2,3年でまた使われてきているようですし、Copperplateは逆に以前より減った感があります。
さて、実際の使用に際しての注意です。
Condensedは、細長いフォントとして作られています。正体(元のフォント)を無理に変形したり、Condensedを引き延ばして使用したりという、フォントの変形はできるだけ避けましょう。特に初心者のうちは、正しいタイプフェイスを覚えるためにも重要です。

また、1つの画面にたくさんのちがう書体を使用すると、エレメント過多になってオブジェクトの持つ方向性もマチマチになりがちですので、こちらも最初のうちはたくさん使わないようにした方が賢明です。フォントの使い方や注意点は、また改めて書いていこうと思います。
上記の6書体を並べてみると解りますが、タイプフェイスの高さが微妙に違います。

複数のフォントを同じ大きさに見せるためには、フォントサイズの調整が必要になります。
もちろん、日本語フォントと英字フォントの大きさも違います。日本語の中に英字フォントを入れて文字を組むと少し小さくなりますので、これにも表現に応じて調整が必要です。
またフォントは図形の集まりですので、図形としての特徴も兼ね備えています。

このあたりの話も、後半ではさらに詳しくしていきましょう。
フォントには、OpenType、TureType、PostScript 等の種類があり、まだまだ延々と説明が必要です。本当にフォントはすごく大事で、話が尽きません。
次回から、いよいよ仮想の課題形式でデザインに関する話を書いていきます。
デザインを勉強する上で、フォントはとても大切です。
デザインに興味を持たないとフォントにはなかなか目が行きませんが、良く目にするフォントはある程度決まっています。傾向として、プロは定番フォントを中心にデザインし、初心者ほど特殊なフォントを使いたがります。
まずは基本の英字フォント5書体+1書体を揃えてください。
・Helvetica
・Futura
・Optima
・Garamond
・Times
さらにあると良い
・Frutiger
デザインを始めたばかりの人が大好きなComic Sansや隷書体、勘亭流などの特殊なフォントは、そのフォントの特殊なデザイン故にフォントの印象が強すぎ、デザイン的なオブジェクトとしては使用を限定されます。
たとえて言うなら、街でパーティーハットをかぶって歩く、みたいな感じでしょうか。
パーティーでは楽しい演出として成り立ちますが、会社にかぶって行ったり普段の生活ではかぶらないでしょ、みたいな感じです。
フォントに関しては、説明することが非常に多いので、何回かにわけて掲載していきます。
まずは、概略です。
Macの場合、日本語に関しては小塚などの実使用に耐えるフォントもありますので、何とかならないこともありません。逆にデザインをかじった人が周りにいると新ゴの不正コピーを持っていて、何にでも新ゴを使おうとするので始末が悪いです。新ゴは、結構用途を問うフォントです。
新ゴは、もともと写研の人気書体であったゴナにそっくりなモリサワフォントです。
これに関しては写研・モリサワで訴訟にもなりましたので、詳しく知りたければネットで検索してください。
過去にはものすごく流行ったフォントですが、ここ6年ほどは余り使われず、どちらかというとキャッチーなフォントとしてグラフィックではダサめの傾向にありました。主にパッケージや店頭で使用するいわゆるPOPが中心で、可読性の高さから図中での小さい文字にも使用されます。
逆にWebではメインフォントとして多用されます。
しかしこれにも変化があり、少しずつ使用されるフォントも変わります。グラフィックデザイナーからの進出が増えたからか、モリサワのパスポートが良かったのか、以前よりMB101も使われていますし、小塚も結構見かけるようになりました。
以下の基本5書体+1書体はデザインする上でどうしても必要になる書体で、代用のきかないフォントです。なければデザインの勉強にとても不便です。

もちろん、他にも使用するフォントはありますが、基本5書体があればデザインの勉強はできます。
ところがこれで話が終わらないのです。
Helveticaにはファミリーがあります。以下が主なファミリー書体です。
・Light
・Medium
・Bold
・Black
これが横方向に細くなった
・Light Condensed
・Medium Condensed
・Bold Condensed
・Black Condensed
さらに、上記それぞれに斜体がかかった
・Light Oblique
・Medium Oblique
・Bold Oblique
・Black Oblique
・Light Condensed Oblique
・Medium Condensed Oblique
・Bold Condensed Oblique
・Black Condensed Oblique
Helveticaのファミリーだけでも、最低これだけのフォントが必要になります。
さらにExtra、Ultraもありますので、かなりのフォント数です。
MediumがRegulerであったり、ObliqueがItalicであったりCondensedが前に付いたりと、フォントのバージョンによっても変化しますが、デザインをするには、基本5書体のそれぞれのファミリーが必要になります。

なかなか大変ですね。
次回は、それぞれのフォントの特徴と主な用途をご紹介していきます。
デザインの勉強を始めるにあたって、ぜひお薦めしたいことがあります。
それは、どんどんマネをしましょう、ということです。
よいデザインだなと思ったらどんどんパクっていきましょう。カッコイイ名刺だなと思ったら、同じものを作ってみましょう。きれいな配色だなと思ったら、マネをして作ってみましょう。
純粋な勉強のためであれば、なんらやましいことはありません。いえいえ仕事でのパクリはダメですよ。
海外では模写という学習手法は至極一般的ですが、なぜだかコピー王国日本では、さほど盛んではありません。
例え話として
ギターを始めた人がいます。彼はギターを買ってきて、いきなり「オレのオリジナルコードを作ってやる」とガガーンとギターを鳴らしました。
またある人はピアノを始めましたが、バイエルを覚えずに「私のオリジナリティあふれる新しい和音を作ってやる〜」とババーンと鍵盤をたたきました。
ある人は、オリジナルのオレ語を作ってやると「○△□;!%〜△」としゃべっています。
いやいや、それはそれで笑えますが、かなりイタイです。
まずは、今あるコードや和音をきちんと理解しましょうよ。そこから美しい旋律なりコード進行を学んでいきましょう。まずは世間で言う美しいとか、カッコイイ、綺麗だという形なり色を学びましょう。
デザインしたものを人に見せたとき、
「うひゃ〜、オリジナリティあふれるけど、カッコ悪るぅ~」といわれるよりも、
「おぉ〜、よくあるデザインだけど、めちゃカッコイイ!!」といわれるものを作ることから始めませんか?ということです。
「カッコイイ」という共通の言語を勉強しましょうよ、ということです
デザイナーを、デザインで飯を食っている人と定義づけるなら、特別な才能はなくても大丈夫です。当たり前のものを当たり前に作ることができれば、それですでにかなりの実力です。人が見ておかしいと思わないデザイン、人が聞いてもすんなり聴いていられる音楽、それをコンスタントに作ることが一般のプロに最低限求められる技量ですし、それができればプロとして生きていける領域にきていると思います。
あなたが星の図形を書いてみようと思ったら、まずはインターネットで、あるいは図書館や本屋に行ってデザイナーの作った星のデザインをたくさん見てください。
そこにはあなたがデザインを志す、ずっとずっと以前から研究されてきた、世界中の優秀なデザイナーが長い歴史の中で完成させてきた星のデザインがたくさんあります。
そのバランスと記号としての図形をマネて描いてみてください。なんだかちょっと印象が違うなと感じたら、定規を当てて詳しくバランスを調べてみてください。
では、あなたに質問です。
「あなたの好きなデザイナーを5人挙げてください」
ちゃんと5人言えましたか? もし、プロのギタリストを目指している人に「好きなギタリストを〜」と質問したら、5人どころでなく答えてくれると思います。おそらく答えるどころか、かなり語ってくれます。
もちろんデザイナーはミュージシャンほど名前が露出しません。
でも、もしあなたが答えられなかったとしたら、あなたのデザインに対する知識はその程度ということです。
答えられなかったあなた、ヤバイですよ。
オレ語もいいですが、もっといろんなものを見ましょうね。
次回は、デザインを始めるにあたって必要となるフォントの話です。