SHDblog 身近なできごと、デザインのこと。

katsuhide HIOKA

2010.03.12 update|Movie|Detail
かいじゅうたちのいるところ

where_the_wild_things_are.jpg

『かいじゅうたちのいるところ(WHERE THE WILD THINGS ARE )』を見た。

監督のスパイク・ジョーンズは、90年代〜にMTVやCMで
とびきりぶっ飛んだ作品を作って注目された映像作家だ。

僕が初めてその作品を目にしたのは火だるまの男が走る姿を
ひたすらスローモーション撮影したものだったと思う。
(どのアーティストの楽曲だったかは記憶に無い)

もう一度見たくて、当時覚えたてのhotmailで
200件近くのリクエストをMTVに送りつけた。
他にも顔も身体もアメコミキャラのような怪優クリストファー・ウォーケンが踊りまくるという
名作もある。(Fat Boy Slim -Weapon of Choice-のハズ。興味のある方はどうぞ。)

話が逸れたが、そのスパイク・ジョーンズ長編3作目がこの『かいじゅうたちのいるところ』。

過去2作品は、盟友チャーリー・カウフマン脚本のオリジナル作品だったが
今回は、あちらでは知らない人のいない絵本作家モーリス・センダックのベストセラー作品の映画化。
とはいっても基本的なフォーマット以外はスパイク・ジョーンズが創造したものだそうだ。
原作を見ると、素晴らしい選択だと思うし、公開を心待ちにしていた。
(やはりと言うか、子ども向けの作品を望んだ製作のワーナーは一度公開を延期したそうだ)

見た感想は...
単純に素晴らしい作品だと思った。
漏れ聞こえてきていた、着ぐるみ丸出しのうえに細部は妙にリアリィティのある
かいじゅうたちも、トーンの低い映像も音楽も。

見るからに気むずかしそうな原作者モーリス・センダックも手放しの賞賛を送ったそうだ。

主人公の少年が異世界に迷い込むまでの一連のシークエンスでは
息遣いや鼓動が聞こえるほどにカメラは少年に接近している。
この年頃の少年がもつ特有の不安定さやイノセンスを見事に捉えていたと思う。

かいじゅうたちの住む世界に迷い込んでからカメラが映すのは
成長期に感じるどうしようもない窮屈さから開放された少年の心のように澄んだ世界だ。
一瞬の構図やハレーションは、心の微妙な揺らぎのようにヒリヒリとした後味を残す。

イタズラ好きな子どものようなスパイク・ジョーンズが
見せた繊細な画づくりと演出に、昔の記憶が蘇った時の
妙な気恥ずかしさと、昼寝のあとのような気怠い心地よさを感じて映画館を後にした。

hioka


PAGE TOP

.
.