2010.10.02 update|Diary|Detail|
遅くなりました。自己紹介です。
1987年 大阪芸術大学を卒業。
メーカーのデザイン室で11年間プロダクト、グラフィック、UI、Web等の開発・制作業務に従事。
98年退職、デザイン制作会社として独立しました。
独立と同時に、デザインの専門学校で主にグラフィックデザインを担当する講師に就き、平日は事務所で、土日はデザインの講師という形でデザインに関わってきました。
何年間も休日のない働き方をしていたので、もう少しじっくり考える時間が欲しかったこともあり、講師は8年間つとめた後に辞しました。
早いもので、デザインの仕事について25年近くなります。
すでに芸大進学が決まった高校3年生の時、近所のデザイン事務所でアルバイトを始めました。
今になって思えば、デザイン事務所というよりは版下業に近かったように思います。
その頃は知識もありませんので、デザイン業と版下業の違いすら分かっていませんでした。
おそらく、このサイトをご覧の大半の世代の方は「版下」という言葉すら聞いたことがないでしょう。今となっては過去の形態です。
初めてコンピュータに触れたのは、会社に入って間もなくの頃です。
確かキヤノンのEGPSというコンピュータでしたが、非常に取っつきやすいインターフェースで、夢中になって図形を描いて喜んでいました。
それからしばらくした頃、Macintoshという存在を知りました。
1989年、アメリカのデザイン業界を視察するという大義名分のもと、トヨタ、ソニー、シャープ、キャノン、リコーなど複数のメーカーデザイナーが集まる「お楽しみたっぷり海外視察団」に参加しました。時はバブル真っ盛り。今では信じられないほど高額経費の視察でした。
当時Macをデザインしていたフロッグデザインとの交流、シーグラフ、ボストンではMacエキスポ、はたまたID-Twoからアドビ本社まで、まさに東海岸から西海岸まで飛行機を乗り継いでの豪華ツアーです。
シリコンバレーのデザイン事務所に行っていきなり目にしたのは、今の日本の様に全員がコンピュータに向かってデザインの仕事をしている姿でした。
これには相当なショックを受けました。というのも、まだ日本ではポスターカラーや定規、カッターを使ったデザインワークをしていましたし、コンピュータを使ってデザインをするなどというのはごく一部の人でした。製品開発で使用する機械系CADですら、A5サイズほどの紙袋状のフロッピーをガッチャンと差し込んで起動する時代です。
ところが、シリコンバレーでは皆が普通にMacを使ってデザインをしていました。
アドビ本社で開発中のPhotoshopのデモを見た時には、今後コンピュータが使えないとデザインの仕事はできないな、という確信を持つまでになっていました。
当時の画像処理サイテックスの画像加工がパソコンでできるソフトのデモンストレーションは、十分すぎるほど衝撃に値するものでした。
日本に帰ってからは憑かれたようにMacの前に座っていました。
今でこそ当たり前にパソコンでデザインをしていますが、作ったデータがそのまま印刷できるようになったのは、そんなに過去のことではありません。独立した98年当時ではキャリブレーションの問題も含め、大手印刷会社でなければ対応していないことが多く、苦労が絶えませんでした。
以前のMacやイラストレータは、いわばゴーカートのようなもので、アクセルを踏めば進む、ハンドルを切れば曲がるという非常にわかりやすい機能とインターフェースでした。
イラストレータも1つのテキストオブジェクトとしては、25文字程度しか入力できなかった記憶があります。
私のデザイン観に大きな変化をもたらしたターニングポイントがいくつかありますが、Macに初めて触れた時と、インターネットを知った時に受けた衝撃はとても大きく、それはほとんど感動に近かったのだと思います。
独立して12年、新しいステージへのチャレンジの時がきたと思っています。
きっと今まで以上に厳しいことがあるだろうとも思います。
しっかりと地に足を付け、自分たちにできることを精一杯、誠実にこの仕事に取り組んでいきたいと、改めて思う今日この頃です。
.